少し前に娘と一緒に区役所へ行ったときのことです。前からハンドベルを携えた初老の男性が歩いてきます。併設されている公会堂で演奏した帰りのようです。
ハンドベルを初めて見る娘はその男性の方に寄っていき,「それなーに?」と聞きました。するとその男性は,ニコリとして「カーン」とハンドベルを 1 回鳴らしました。そして娘が「ラ」と言うと,「正解,分かるんだ凄いね。これはハンドベルっていうんだよ」と何やら会話しています。
そのやりとりを見て,学校の授業でしか音楽を習ったことない私には何やら凄いことのように感じ,家に帰ってから妻にそのことを話すと,「普段ピアノを弾いているから絶対音感があってもおかしくないよ」とそっけない返事。
この絶対音感というものは何者なのか知りたくなり,「絶対音感」を読みました。
この本では絶対音感とはどういう能力であるのか,音楽家や科学者にインタビューをして多角的に分析しています。
絶対音感に関する記述以外に読んでいて「へぇ〜」と思ったのが,オーケストラ・国などによって基準音の高さが異なること,日本でドがドでない(?)場合もあること,楽器によってドレミの間隔が異なることなどです。とにかくプロの音楽家の話を聞いていると,とても人間業とは思えません。科学者が人間の音楽鑑賞がどのように行われているかを調べているようですが,永久に解明することはできないでしょう。
やっぱり人間って凄いな。