文庫本として出ているのを知り,「急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」を読みました。
この本では,大衆が一気に行動を始める(流行やブームが起こる)には,どのような要件が必要か,なぜそうなるのかのメカニズムを扱っています。この動きはウィルスのように感染的であると考え,すべてが一気に変化する劇的な瞬間をティッピングポイントと呼んでいます。
ティッピングポイントを生ずるには 3 つの原則
があり,それぞれの原則が実際に起きた事象の解析と共に説明されています。
「少数者の法則」では,感染のきっかけを引き起こすコネクター(媒介者),メイブン(通人),セールスマンの役割が,「粘りの要素」ではセサミストリートを例にあげて行動をうながすメッセージについて書かれています。
私としては一番面白かった「背景の力」では,時・場所・状況がいかに人の行動に影響を与えるか,小規模の集団がもつ力が書かれています。
実例として,エアウォーク社がどのようにブレークし落ちぶれたか,商品ではありませんが若者の喫煙や自殺がどのように広がっていくかについて考察されています。