先週,この年末・年始に読む本を数冊買い込みました。年初からビジネス書を読むのも味気ないので,仕事とは直接関係のないものを選びました。
まずは戯曲「ファウスト」の「第一部」と「第二部」の 2 冊。
天才詩人ゲーテは,この大作を 24 歳から書きはじめて 82 歳で書き終え,83 歳で没したそうです。前から読みたいとは思っていたものの難しそうで敬遠していましたが,思い切って読むことにしました。
「第一部」は先週のうちに読み終わってしまったのですが,想像していたよりもスムーズに読み進むことができました。
この「第一部」の話のあらすじは,さまざまな学問を極めた大学者ファウストが,学問・知識の無力さに失望し,悪魔メフィストーフェレスの力を借りてこの世のあらゆる官能的な享楽をきわめつくして世界のあたえ得るかぎりのものを味得しようとする・・・という内容です。深遠な意味はわかりませんが話の流れにはついていけました。
そして「第二部」を読み始めたのですが,「第一部」のように話の筋道が明瞭でなく読み進めるのが一気に辛くなりました。
しかし,「第二部」に対してゲーテは
生涯の終わりにおいて、落ち着いた精神には、従前には考えられなかったような思想が現われてくる。この思想は過去の高嶺の上に嚇奕と座を占める恵み豊かな守護の霊の如きものである。
と言うほど満足していたそうなので,何としても読み通したいです。
人間は努力をする限り,迷うものである。
もう一冊は「美の方程式」です。この本もすでに読み終えてしまったのですが,内容は「美とは何か」を考えるものです。まず,「黄金比」の説明から始まりますが,知れば知るほど不思議な数字で非常に興味がわきました。
次に,プラトンの考える「絶対的な美」,カントの考える「普遍の美」について書かれています。あくまで概要だけですが,カントについては参考文献が紹介されています。
そして,「対称性」の話に進み,レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」や「最後の晩餐」が取り上げられます。
対称性の次は「螺旋」の話,最後に「崇高の美」となります。ここまでくるとあまり理解できませんが,カントによると「崇高」は洗練されたおとなの人間にしか経験できないもののようです。
美は何かを判断するときに力になるのは間違いないと思うので,美の追求である「美学」をもう少し詳しく知りたくなりました。
しかし,いきなりプラトンやカントの本を読んでも玉砕するのが目に見えているので,まずは黄金比を勉強するために「黄金比はすべてを美しくするか?」を入手しました。
今までに「美とは何か」なんて考えたこともなかったので,考えるようになっただけでも収穫ありです。
美の感情性に高貴なるものが全く欠けている場合には,それは堕落する。
関連エントリー